株式会社ナイキジャパン
代表取締役 シャーマンチャン殿
拝啓 貴社ますますご発展のこととお喜び申し上げます。
その回答書が12/13付で代理人より届きました。
一言で言えば呆れた回答書でありました。商業人の代理という意識は皆無で当方の
受傷原因となったMAXAIRの構造等に対する調査、 分析、 検証がなされた形跡も見
られません。はなはだ遺憾であり、憤りさえ感じるものでありました。
回答書文中の『・・お送り頂いた弊社製品の写真を見る限り、破損した個所等は見
うけられず・・・』等の文面は、当方の送付内容を全く理解しておらず、最初から
『突っぱねる』と決めてかかっているか知恵がないかのいずれかでしょう。
靴が壊れればかえって腱は切れないで済んだでしょう。ともあれ今般の見当違いの
回答書を送りつけてくる代理人任せの対応は杜撰で、ナイキの信頼性を一気に払拭
しかねないものであります。
当 腱断裂傷害に対する理解を深めて頂くために、 少し具体的に記述しましょう。
まず、ご自分の左手で左足首をしっかり掴んでつま先を上げてみる。
腱がグッと前方に浮き出てくるのが指先に伝わってきます。
膝を曲げる、足首が曲がる、というのは足首の腱が前方に大きく出てくるという
ことが分かります。
人間どなたも同じ構造を持っている訳です。このことは私とて今度の負傷で初めて
具体的に理解したことです。
しかしながらメーカー側がこういう基本的なことを知らないという訳にはいかない
のではないか。ましてやナイキは今や 世界 No.1のスポーツ&フィットネスカンパ
ニーと自負している企業なのだからユーザーに対する注意を喚起する報道や補償か
ら逃げよう、避けようとする行為は社会が認めてはくれないでしょう。
これが広告費に一億ドル十億ドルと投入してきた企業の姿勢とはどなたもが首を傾
げざるを得ないでしょう。
可能ならば被験者にMAXAIRを履かせ、キツメにヒモを結んで実験、検証すれば恐
らく5割以上の被験者が腱を切るなどの大きなダメージを受けるのが実証されるで
しよう。
私の左足の親指の第一指を引っ張る腱は完全に切れ第二指を引っ張る腱は4/5切れ
ていた。足首の方の腱は幸い切れなかったものの、大きな力がかかった為かなり損
傷をしていて凸凹している。
実は5〜6年前よりナイキのシューズを履くのを止めていた。というのはナイキの
シューズで何度も爪をやられていて、ある試合では試合の途中から動きが悪くて
集中出来ず試合後靴を脱いでみたら生爪を剥がして血だらけだった。
それ以来某社のシューズを履いていた。
だが昨年4月、いつもの店を訪れた時には生憎その某社のシューズがなくて、しか
たなく良さそうなのを選んで買い求めた2足のうちの一足がMAXAIRだった。
腱を切った当日(8/11)はヒモを結んだ後「いつもより少しきつめだな」と感じ
る程度だった。過去50年の歳月の中でこの程度か更にきつ目にしめる事は多々あ
った事だし、少し気合いを入れてゲームに臨む時や大会等ではこの位が寧ろ普通
だろうと思う。
MAXAIRを履きはじめてから3ヶ月程経っていたが、これほどシマッテいると感じ
た事はなかったが、それでも「いつもより少しきつめだな」という程度だった。
弛んだシューズのヒモをシメ直したり、しっかりシメ直したりする行為はスポーツ
シーンでは良く見かけるし、テニスの試合では特別なことではないのはご承知のこ
とでしょう。
ヒモは弛むのがむしろ普通で実際テニスコートではどなたもがやっていることです。
ナイキの開発チームはこの「弛む」ことを課題に「ヒモが弛まないシューズ作り」
を追求した結果、この高性能欠陥シューズMAXAIRを完成させ市場に送り込んでし
まった。
ヒモを結ぶ位置を少し下げて、甲寄りにして足首に負担がかからないシューズにし
ておけば問題がなかったのではないか。
ところが結果は足首の機能を無視したシューズ作りをしてしまった。
甲の部分は伸びないで結ぶ部分が伸びるヒモの開発を提案します。
この件の当方の要望、二項目に付き前回のような無責任極まりない回答であるなら
ば当方もナイキユーザーが同じ被害を蒙らないようできる限りの媒体を使ってキャ
ンペーンをする積もりである。
過去にスーパースターを何人も起用し、短期間に世界にその名を知らしめてきたナ
イキならではの回答をしていただきたいと思います。 敬具
平成15年1月21日